Tuesday, December 20, 2005

慢性疾患と漢方

RAで痛みが主訴の患者さん、先日ぎっくり腰になっちゃって、腰に力を入れないような動きを自然とするようになりました。そのため、さらに便秘が進みます。屯用で出していた下剤も「腰に響く」と拒否。ついに機械的腸閉塞の2〜3歩手前までいきました。絶食点滴で下剤(カマグ、プルセ、ラキソ15滴X3、アローゼン、アインソフト座薬、DIV内にはプリンペラン、パントシン、アリF)をかけるんですが,土日はさんでさらに3日もでない。この人には証があわないけど、、、、院内にある大黄をふくんだ漢方は桃核承気湯(実証の駆瘀血剤)しかなかったので、使う事にしました.すると、、、患者さん曰く、「あれを飲むと30分後にはグルグルいいだす」と。(迷惑そうに.便が出て嬉しいのは、あなたのはずなのに。いかなる時も文句だけいう)恐る恐る出したのに、結構実証だったようで、腰と便秘はよくなってきています。嬉しい。西洋薬だけでどうにもーーーーっていうとき、漢方はお薦めです。
もう一人.60代男性。脳梗塞を10年以内に4回も繰り返し、片麻痺は固定しているものの、結構元気に杖で歩き回ります.赤ら顔で太鼓腹で体格よくて豪快な感じ.勿論便秘。怒りっぽく、結構神経質。Hbは17と常に高く再梗塞の恐れの高い人。最近4回目の脳梗塞後、脳外科にも別に通いたいと抗血小板薬(パナルジン、バイアスピリン、そしてもういっこが全てフルドーズ)はそちらでもらうようになりました。その人に提案の末、桂枝茯苓丸と防風通聖散を常用量から開始しました。本人曰く「いいみたい」とムネポケットから今日の昼用の2剤が出てくる。またまた嬉しい。

もう一人.入院時は喘息発作が主訴の女性。脳梗塞後で麻痺あり。10年前から三叉神経痛で右頬部の痛みのため、ペインに暫く通っていました。デイルームでは凄いwet coughを続けざまに出すかんじ。すでにPSLとEMの少量投与が1年以上続いていました.PSLに比べたら、漢方のお試しなんて大丈夫だろうと、慈陰至宝湯を開始しました.すると、咳にもいいらしいけど、それより、右頬の痛みが右口角まで場所が移動しているらしく、本人曰く『このまま顎にいって出て行ってくれるといいな』。少し返答に困りましたが、enegyの作用があると思うので、そういうばあい期待していない症状が改善する事って漢方では良くあるお話.、、、いずれにせよ、どうなるか注目しています。
こんな風に西洋医学的には「なにやってもダメっぽい」患者さんの訴えを漢方を使う事でうまく拾い上げて、QOLを改善できる事が往々にしてあります。それに患者さんの求めている事って脳梗塞やリウマチの診断をして欲しいのではなく、症状をなんとかしてほしいだけなんですよね。漢方、すこし武器になってきたかな〜とおもう今日この頃です.

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